Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
百三十二
「時」というものの力を待つの外はない人であった。
こうした心持から、岸本は節子のために民助兄の上京を待受けた。漸く十月の半ば過ぎまで待って、その月の十一日に基隆出帆の船に乗るという兄の通知が岸本のところへ届いた。
百三十二
台湾の民助兄は大阪の愛子夫婦の家に一二泊、用事の都合で静岡へも立寄って、その上で上京した。この兄は先ず谷中の家の方に着いて、それから岸本のところへ尋ねて来ることになった。
節子が動こうとする頃には、岸本もまた動こうとしていた。彼は自分の下宿からさ程遠くない天文台の附近に家を見つけて移り住もうとしていた。下宿の離座敷を借りて三人の子供を養うも、一軒の家を借りて出るのも、半分旅人のような彼の生活には殆んど変りが無かった。彼は唯、今の離座敷にあるものをそっくり新規な家の方へ持って行くだけのことであった。丁度煮焚の世話を頼むに好さそうな婆やも一人見つかったし。泉太をはじめ繁や君子まで日に増し成長して来て、自分の子供は自分の手で育てたいと思った彼が望みもいくらか遂げられたからで。子供等もまた次第に父と四人だけの簡素な生活に慣らされて来たからで。