Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
彼の少年時代から青年時代に入ろうとする頃のことが書きかけてあった。恐らく自分に取ってはこれが筆の執り納めであるかも知れない、そんな心持が乱れた彼の胸の中を支配するように成った。彼は机の前に静坐して、残すつもりもなくこの世に残して置いて行こうとする自分の書きかけの文章を読んで見た。それを読んで、耐えられるだけジッと耐えようとした。又終りの方の足りない部分を書き加えようともした。草稿の中に出て来るのは十八九歳の頃の彼自身である。
「暑中休暇が来て見ると、彼方へ飛び是方へ飛びしていた小鳥が木の枝へ戻って来た様に、学窓で暮した月日のことが捨吉の胸に集って来た。その一夏をいかに送ろうかと思う心持に混って。彼はこれから帰って行こうとする家の方で、自分のために心配し、自分を引受けていてくれる恩人の家族――田辺の主人、細君、それからお婆さんのことなぞを考えた。田辺の家の近くに下宿住居する兄の民助のことをも考えた。それらの目上の人達からまだ子供のように思われている間に、彼の内部に萌した若い生命の芽は早や筍のように頭を持上げて来た。自分を責めて、責めて、責め抜いた残酷たらしさ――沈黙を守ろうと思い立つように成った心の悶え――狂じみた真似――同窓の学友にすら話しもせずにあるその日までの心の戦を自分の目上の人達がどうして知ろう、