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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろきちこうし

治郎吉格子 名作短編集(一)

吉川 英治

Lesen Sie 治郎吉格子 名作短編集(一) (じろきちこうし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.609 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

「昼間なんといった。今夜のうちには、何とかすると申したではないか。先の娘へ百金、そちの礼に二十金、金もたしかに受け取ったであろうが」

「ま、旦那、そう筋を立っちゃ困ります。金はたしかに、夕刻、お喜乃の家へ行って渡しましたが、何しろ、うぶでさ、恥かしくて、茶屋へなんざ、行かれないというんです……そうした女の気もちも、少しゃ、考えてやっておくんなさいな」

「だから、ここへ連れて来いというのだ」

「もう何しろ、遅うございます。それに、彼女の親爺が長わずらいで、床についているところですから、もう四、五日のところ、折を見てやって下さいまし。きっと、仁吉が、腕にかけても、嫌たあ、いわせません」

「きっとか」

「あれだ……。旦那ときたひにゃ、まったく邪推ぶけえんだから」

「よし。では、日限三日かぎりだぞ」

「これや、きびしい。そのかわりに旦那、あの方もひとつ、ぜひ、お願いいたします」

「なんだ、あの方とは」

「お忘れなすっちゃ困りますぜ」

「ム。町役の株か」

「へい。旦那のさしがねで、十手預かりにして戴ければ、これから先、どんなことにも、お尽しができるだろうと思いますんで」

「そんなに十手が持ちたいのか」