Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
がらくた荷を一層積むようなものである。礼儀正しきは人生の表なりとせば、裏は無礼不儀なりとは言われぬ。裏は礼を略し儀式を除くに過ぎない。
人の性質においてもまた同じような表裏がある。しかしてこの人となりの表裏は、他の事柄と異って、一も二もなく卑しきもののように思われる。あの男は表裏があるという一言にて、他の事を聞くまでもなく、あてにならぬ偽君子なりと解せられる。これは文字の使いようがかかる意味になりしまでにて、僕も文字の用法を改めよと主張するわけではないが、人の性質には道徳的意味のほかに表裏あることを記憶せねばならぬと思う。
我々は友人中に時々新しき事実を発見して驚くことがある。たとえば無骨一偏の人と思った者にして、案外にも美音を発して追分を唄う、これも一つの表裏ではあるまいか。また髯もやもやの鹿爪らしき爺が娘の結婚の席上で舞を舞いて祝うことがある。無骨一偏の者が測らぬ時に優しき歌を詠うとか、石部金吉と思われた者に艶聞があるとか、いずれも人生の表裏であるまいか。しかしこれあるは決して矛盾でない、あるこそ当然である。またこれあるところに人生の興味が深いのである。