Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
狭き己れの好き嫌いで世に処するは危険
たとえば孔子が『春秋』を書くに私心をはさまなかったとは、『春秋』に出る人物を批評するに好きだから褒める、癪にさわるから悪く書くというのでなく、好悪は論外として、自分と性質は違うとも、正しい者は正しいと公平な判断を下したからである。
狭き己れの好き嫌いで世に処するは危険
僕の友人に甲という人がある、この人のもとに同じ友人の乙が行き、
「甲君、君は丙君と仲がよいか」
と聞く。甲は、
「別に仲の悪いことはない、永い間の友人だから」
といえば、乙はやや驚いた顔して、
「何のためだろう、丙はあちこちで君の悪口を言い歩くよ」
と告げたので、甲はいかにも意外に思い、しばしば会っているに丙は自分に対し別に悪意を懐かぬようだが、それでかれこれ自分を非難するのは合点がゆかぬと思うと同時に、して見ると丙は余程、二心あるもので、僕に向かってはよい顔しながら、蔭にまわると悪口する、はなはだ卑むべき人であると思って以来、丙を見てもロクに挨拶しなくなった。ところがあるとき丁より、丙はたいへん親切な男である、今これこれの人を世話しているが、まことに感心だと聞き、甲は始めて翻然として悟るところあり、ああ、やはり丙は善い人である。