Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
しかも演説口調をもってあるいは高々に説明するにあらずして、平生の個人と個人との会話のごとき調子で、
「ネー、そうだろう、今まで僕の言ったことは君らも学理的だと認めるじゃろう云々」
と言いかけると、傍聴者の一人で職工と思わしい若い男が、
「そりゃ君の説は勘定が少し違うぜ、地球の曲線の度は一マイルについて幾らいくらだぜ。君の先の例に取った何マイル以上にある船の帆柱は云々」
と、僕は最後まで聞き取れなかったが、数字をもってこれを駁撃すると、先の男が手帖を出して何か計算する。その間にまた一方から、
「君の説はちょっと面白いが、学理より実験に戻るじゃないか」
とやり込める奴があった。僕はしばらく立って見ていたが、もの静かに思想を交換するさまは、昔ソクラテスがアテネの市場で道を説いたときは、かくもあったろうかと想像が浮かんだ。このときも我が同胞であったならば、すぐに野次馬が乗り込んで来て、
「貴様の説はコロンブス以前の陳腐論だい。ヤイ黙れ!」
とか、
「小学校の二年級をやりなおせ」
とか、
「ジジイ、おいぼれやがったナ」
くらいの罵詈は必ず聞こえるであろうと、つくづく物思いに沈みながら、この群集を去って旅館に帰ろうとすると、同じ公園のむこう側に二、三百人もあろうかと思わるる群集がかたまっておったから、かたわらの青年に、むこうの