Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
あるいは学問をしている者でも、はじめのうちは謙遜に、あれも知らぬ、これも知らぬと思いつつ、研究三昧に暇ない時は最も尊敬すべきときであるが、あの学位を得たとか、その学位を授けられたとかいうと、自分がいかにも偉い者にでもなったように、人の前でも何もかにも物知り顔をしておるさまは、傍観しても見苦しいものであるし、かつ近づく者にも、学問とはこんな厭な臭気のするものかと思わしむる場合もしばしばある。
あるいは道徳を語る人でも同じことである。あの人は品行方正の人だとか、まことに正しい曲った事のない人だとか言われると、すぐさま君子顔になって、他人を見るに小人をもってして、世ことごとく濁れり我独り澄めり底の考えに逆上する。かく言う僕も他人より賛辞を受けたことはないが、上に挙げた例の一部にあたっているかも知れないと思えば、この辺が筆を止めるところであろうか。僕にしてかくのごとき弱点はさらにないという自信がさらに鞏ければ、もっと大胆に論じたいが、自分で顧みて折々は逆上そうになったこともあった。終りに述べる僕の実験談は普通に言う逆上るのとは違うけれども、その性質においては同じであるし、かつ僕に取っては逆上の訓戒としてしばしば記憶にのぼる経験であるから、恥を晒してここに述べよう。