Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
米国に行きてことに感ずることは、この国には偉大なる凡人の多きことは、ほとんど日本において平凡なる豪傑の多きがごとくである。凡人をして偉大ならしむるのはそれ思想乎。思想ほど恐しき力はない。人の動くのはみな思想の力によるのである。すなわち世の細事大業も機械に譬うれば思想なる原動力の発現にほかならない。これを草木に譬うれば、緑の柳、紅の花と現れる世の変化も思想なる根より起こるものであるから、なにはさておき根の培養は怠れない。根さえ確かなれば、幹なり枝なり葉なり花なり自然の結果として栄える。
誰人も経験あることならんが、だんだん年とるについても、若きとき思い込んだ思想が、なにごとについてもヒョコヒョコと胸底に浮かび出で、あるいは邪魔し、あるいは手伝いし、われわれの今日の仕事に関係を絶たない。
「三つ子の心は百までも」「老馬路を忘れず」という。青年時代に植えた種子は、よかれ、悪しかれ、いつまでも身辺に纒いつく。
古き書にもあるとおり、「汝一度水田に種子を播け、数日を経て収穫すべし」と。われわれひとたび播ける種子の酬いは、われわれ自身が刈らねばならぬ。若い時に植える種子は、後年植えるものよりいっそう深く根を張る。