Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
暗いところがあると怖気出す
自分が正しいと信ずるものは、いかなる事があっても怖れない。したがって人の前に立っても怖気ることがない。かの宗教改革を唱えたルターが始めてその新説を発表し旧教家の反対を受けたときは、その生命の安全さえもはなはだ覚束なかった。そのころルターの友人は彼のある会合に出席せんとしたのを止め、
「今日は家にあれ、一歩戸外に出れば生命は危険である」
と警めたが、ルターは昂然として、
「この町の家屋の瓦ほどに敵が多くとも、心に疚しきことなき以上は、何の怖るることかあらん」
と言い出席したという。おそらくは怖気の根本的矯正法は自身の正しきを自覚するにありと思う。
暗いところがあると怖気出す
これに反し自分に最善を尽しておらぬものは、何かの時に退けを取りやすい。恥ずかしいが、僕もしばしば自分でこれを経験したことがある。かようなことは相手も知っておるまいと、思って大きな顔している間に、はしなくも話頭がみずから犯した罪に、すこしでも触れると、すぐにビクつき、あるいは顔色が変わり、あるいは声が顫え、あるいはその言うことに辻褄が合わなくなり、あるいは極上等に出来たとしても、話頭を漸々に曲げて自分の痛いところより遠く離さんとし、然らざれば正反対に自分の弱点を弁護するごとき議論や物語をしたりする。