Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
世に蔓延る者は憎まる
という諺があるが、わが輩はこれを顛倒して、世にはびこる者は憎まれるということも、また真実であると思う。いったいこの「はびこる」とはいかなる意味か、『言海』を見ると横行、強梁などいう漢字を充用し、這いひろがる意とある。一般には、とかく悪い意味に用うるも、文字より考えれば必ずしも悪い意味のみでなく、延びひろがり繁る意味である。米麦を蒔いた田畑に米麦がよく繁茂するのも、害草が繁茂するのも、共に同じくはびこるのである。一は有益なる植物なるゆえにこれを喜び、一は邪魔になるゆえにこれを嫌う。喜ぶと嫌うとの差あるも、はびこるうえにおいては二者同一である。また豆を植えかつ豆を穫んと欲するところに、麦が繁茂したならば、たとえ豆よりも尊いにしても、耕作者の目的に適わぬ以上は、やはりこれを害草と同じく取扱わねばならぬ。すなわち悪い意味において麦がはびこるのである。
して見ると、はびこるという文字の意味を悪く解るか解らぬかは、これを用うる人の意によりて異うので、豆を穫んとする人には、麦が悪しき意味にはびこるのであり、麦を穫んとするところに豆が茂れば、豆が同じく悪しき意味にはびこるのである。