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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme

Aozora Bunko

六

そう言いながら平次は手摺から腹ん這いになって、庇へ手を掛けて揺すぶると、猛烈な埃をあげて、朽ちた板が、ポコリと下に落ちてしまいました。

「よしよし、お前の疑いは、それで大体晴れたとして、あとは下手人を探しだすことだ。利助と友次郎に手を貸して一日も早く召捕るようにするのだぞ」

「ヘエ――」

「解ったか、平次」

眼に物言わせた新三郎、この二人の意地の悪い先輩に楯を突いて、また面倒な事を起してはならぬという謎でしょう。平次は妙に涙ぐましい心持にさえなって、

「ヘエ――」

蹲ると、ありし日は、自分の恋敵であった弥助の死に顔へ、片手拝みに白い巾を掛けてやるのでした。

六

「親分、お目出とう」

「あッ、またお勢」

槙町で好い加減手間取って、夕暮近く鎌倉河岸の方へ来ると、後ろから近々と、平次の頬へ匂わせたのは、いつか両国橋で、平次を翻弄した、小唄の師匠と名乗る美しいお勢でした。

「また――はないでしょう、せっかく、ここで待って上げたのに、ホ、ホ、ホ」

「有難う、思召しは忝ないが、お前に逢うと碌なことがない」

平次は、いつにない素気ない調子です。

「違やしませんか、親分、碌でもない事のあった日に限って私に逢うのでしょう」