Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
七
「それから、二百八十二両はどこへ誰が隠したか、――金を持っている奴が、十中八九下手人に決っている」
平次はしばらく息を抜いて、誰が金を使い出すか、それを見てやろうとしている様子でした。
七
その頃から、浅草、下谷、日本橋、本所へかけて、不思議な届出が続出しました。金額は定まりませんが、多いのは二十両三十両、少ないのは一分二分、現金を紙に包んで、窓からお勝手口から、雨戸の隙間から、そっと投り込んで行くものがあったのです。
金額を調べてみると、遠くて一二年前、近くはツイ一二ヶ月前、柳原の土手か、両国橋で、自殺しようとしている娘を救い、その気の毒な事情に同情して、乞われるままにくれてやった金と、細かい端数までピタリと合っているではありませんか。
「八、お秋は金を返し始めたよ、――四五日前からやっているようだが、掛り合いが面倒だから、最初のうちは誰も届出なかったんだ、――今になってみると、金を盗ったのは、やはりあの娘だったんだね」
「盗ったり返したり、おかしいじゃありませんか」
腑に落ちないのは八五郎ばかりじゃありません。
「とにかく、柳原の叔母さんの家へ行って五両の金が返ったかどうか訊いてくれ、多分いの一番に返したと思うが」