Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
「目方は?」
「八百――いえ、一貫八百目でございました」
そんな事を訊きながら、平次は番人の部屋へ入って行きました。
「どうだい、傷は、――とんだ災難だったね」
敷居際に踞んだ平次を、助七夫婦は床の中からマジマジと見上げます。
「有難うございます、親分さん」
「どこをやられたんだ」
「私は肩先でございます。女房は足を挫いただけで、これは斬られたのじゃございません」
五十男の無精髯だらけな助七は、臆病らしくこう言うのです。
「どんな様子だったんだ、詳しく話してくれないか」
「ヘエ――、一昨日は大層よく入って、木戸のあがりを入れた銭箱を二度まで増屋へ運んだくらいでございます。それですっかり気が緩んで、祝い心に一合つけて寝たのが間違いのもとでございました。暁方近くなってから――丑刻半(三時)頃でございましょうか、舞台の方に変な物音がするのを女房が聞付け、そっと私を起しましたので、夢中になって飛起きて行ってみると、覆面をした浪人者が、金の茶釜を箱の中から取出して、逃出そうとしているじゃございませんか。驚いて大声を出しましたが、この辺は家もなく、暁方と言っても人通りもない時分で、誰も来てはくれません。