Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
「若様とお静さんはまだ帰りませんか」
フラリと、気楽な顔をして戻って来ました。
「坊やとお静が、どうしたと言うのだい」
お国も驚いて飛んで出ました。
「お静さんが知ってる人に逢って、境内の水茶屋に入りましたが、いつまで経っても出て来ません。どうかしたら裏から帰ったのじゃないかしらと思って戻って参りましたよ」
という気のない話です。
「それッ」
と手分けをして、八方を探しましたが、どこへ行ったか、新太郎とお静の行方はさらにわかりません。
水茶屋で聞くと、混んでいる最中で、気が付かなかったと言い、お静の里やら平次の留守宅やら、心当りへ全部人を出しましたが、どこへも行った様子はなく、二人の姿は、水天宮様の境内から、煙のように消えてしまったのではないかと思うような、見事な失踪ぶりです。
お国は気も顛倒して、
「坊やを探しました者には、望み次第の褒美をやる」
と言いますが、これだけに手際よく誘拐されては、手の付けようがありません。
その騒ぎの中へ、一人の女中が変なものを持って来ました。
「ただいま、お勝手口へこんなものを投り込んで行った者がございます」
と差出したのは、急拵えらしい結び文。