Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
一〇
「…………」
「下にいるのは俺の兄哥の勇五郎だ。その縄を這い上がったって、下へ飛降りたって助けるこっちゃねえ、――いつまで苦しませるのも殺生だ。この辺で引導を渡してやろう、――見ろ」
「…………」
「兄哥、落してやるよ。気を付けてくれ」
「よし心得た。宙に留めて竹槍で芋刺だ」
勇吉はどこから持って来たか、脇差を抜いて麻縄を切り始めました。
三本縒り合せた丈夫な縄へ、ドキドキする刃を当てて、
「それ一本」
ブツリと切ると、縄の縒りが戻ってキリキリと三人の身体は宙に廻ります。
一〇
「もう一本」
「待て、待て勇吉。お前の怨みは筋違いだが、今更それを言っても始まるまい。――私はあきらめて殺されもしようが、倅とお静には罪はないはずだ。私はこの手を離して下の川へ落ちるから、縄を切らずに、後の二人を引上げて助けてくれ。頼むよ、勇吉」
新三郎は下から、わずかに支える身体をのし上げて、必死の言葉を絞りますが、赤い蝋燭の灯影に、物凄まじく描き出された、勇吉の顔の怨みは解けそうもありません。
「どうしような、兄哥」
「どうもこうもねえ。俺達は両親やられたんだ。さっさと切ってしまえ」
「よしッ」