Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
鋸なんか、思い切った使いようですよ」
土蔵の海鼠壁を掘って、土台上を厳重に固めた、栗の角材を鋸き切った仕事は、宵の花火騒ぎにでも紛れなければ出来ないことです。
が、せっかく切り開いた穴は入口でせいぜい一尺四方、中は栗材に妨げられて、大の男ではとても肩が入りません。
「鋸も鍬もみんな物置から出して使ってありますよ。憎いじゃありませんか」
又左衛門は穴の前に捨てられた鋸と鍬を指して、苦笑いしております。
「それにしちゃ、草鞋をどこへやったろう」
「え?」
「大きな草鞋を突っかけて仕事をしたに違いない。足跡は大きいが、爪先と踵が反って柔かい土へ舟形にめりこんでいるでしょう」
「なるほど」
平次の慧眼に一番先に感心したのは、やはり又左衛門でした。
「釜吉さんとか言ったね。――お前さんの草鞋がなくなっちゃいないだろうか」
平次は釜吉を顧みました。
「勘定したことはありませんが、私の草鞋は大きいから盗んでも役に立ちませんよ」
釜吉は一向無関心に、十二文半甲高の足を出して見せるのでした。
「この様子じゃ大した事はありませんね、仕事はいかにも素人臭いし」
平次はすっかり興味を失ったらしく引揚げます。