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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

けれども僕がその手紙をひどく馬鹿にしているのを、マア坊は敏感に察して、たちまち態度をかえ、泣くやら、押すやら、あらぬ事を口走る結果になったのに違いない。すみれほどの誇りどころか、あのひとの自尊心の高さは、女王さまみたいだ。とても、いたわりきれるものでない。僕とマア坊といい仲だって事をみんなが言い囃しているとか言っていたが、ばかばかしい。僕は今まで、マア坊の事で人から、ひやかされた事は一回も無い。マア坊ひとりが騒いでいるのだ。マア坊には、たしなみのない、本質的な育ちのいやしさがある。本当に、越後の言うように、母親がいけない人だったのかも知れない。落ちついて考えるに随って、腹が立って来た。マア坊には、道場の助手としての資格が無いと思った。道場は神聖なところだ。みんな一心に結核征服を念じて朝夕の鍛錬に精進しているところなのだ。もう一度、マア坊があんな露骨な言動を示したならば、僕は断然、組長の竹さんに訴えて、マア坊を道場から追放してもらおうと覚悟した。

そのように覚悟をきめたら、やっと僕は、さっきの洗面所に於ける悪夢に就いて、そんなに、こだわりを感じないようになった。