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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

それだけの事であったが、道場へ帰り着き、次第に落ちついて来ると共に、何とも言えずおそろしく、心配で心配でたまらなくなり、ついに夜、蒲団を頭からかぶってひとりでめそめそ泣き出すに到ったのだというのである。このニュウスはもうその翌朝、早くも道場全体にひろがり、無理もないと言う者もあり、けしからぬという者もあり、わけがわからんと言う者もあり、とにかくみんな大笑いであった。キントトさんは、からかわれても、にこりともせず、首を振って、まだ胸がどきどきすると言っている。

それと、もうひとり、同室の固パンさんが、このごろひどく浮かぬ顔をしている。何か煩悶の様子に見受けられたが、果して彼にもまた一種奇妙な苦労があったのである。

いったいこの固パンという人物は、秘密主義というのか、もったい振っているというのか、僕たちをてんで相手にせず、いつまでも他人行儀で、はなはだ気づまりな存在であったが、おとといの夜、あのような嵐で、七時少し過ぎた頃から停電になって、そのために夜の摩擦も無かったし、また拡声機も停電のため休みになって、夜の報道も聞かれなかったから、塾生たちは、みんな早寝という事になったのである。