Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
いまはかえって、このような巷間無名の民衆たちが、正論を吐いている時代である。指導者たちは、ただ泡を食って右往左往しているばかりだ。いつまでもこんな具合では、いまに民衆たちから置き去りにされるのは明かだ。総選挙も近く行われるらしいが、へんな演説ばかりしていると、民衆はいよいよ代議士というものを馬鹿にするだけの結果になるだろう。
選挙と言えば、きょうこの道場に於いて、とても珍妙な事件が起った。きょうのお昼すぎ、お隣りの「白鳥の間」から、次のような回覧板が発行せられた。曰く、婦人に参政権を与えられたるは慶賀に堪えざるも、このごろの当道場に於ける助手たちの厚化粧は見るに忍びざるものあり、かくては、参政権も泣きます、仄聞するに、アメリカ進駐軍も、口紅毒々しき婦人を以てプロステチュウトと誤断すという、まさに、さもあるべし、これはひとり当道場の不名誉たるのみならず、ひいては日本婦人全体の恥辱なり云々とあって、それから、お化粧の目立ちすぎる助手さんの綽名が洩れなく列記されてあり、「右六名のうち、孔雀の扮装は最も醜怪なり。馬肉をくらいたる孫悟空の如し。われらしばしば忠告を試みたるも、更に反省の色なし。