Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
孔雀は、小さいせきばらいをして、
「私こと、」と言った。
お隣りの部屋から、どっと笑声が起った。僕たちの部屋でも、みんなにやにや笑っている。
「私こと、」こおろぎの鳴くような細い可憐な声だ。「時節も場所がらも、わきまえませず、また、最年長者でもありますのに、ふつつかにて、残念な事をいたしました。深くおわび申し上げます。今後も、何とぞ、よろしくお導き下さいまし。」
「よし、よし。」という声が隣りの部屋から聞こえた。
「可哀そうに。」とかっぽれは、しんみり言って僕のほうを横眼で見た。僕は、少しつらかった。
「最後に、」と事務の人が引きとり、「これは助手さんたち一同からのお願いでありますが、牧田さんの従来の綽名は、即刻改正していただきたい、との事でございます。きょうの臨時放送は、これだけです。」
「白鳥の間」から、すぐ回覧板が来た。
「一同満足せり。ひばりの労を多とす。孔雀は、私こと、と改名すべし。」
かっぽれは、その綽名の提案にすぐ反対を表明した。「私こと」という綽名をつけるのは、いかになんでも残酷すぎるというのである。
「むごいじゃねえか。あれでも一生懸命で言ったんだぜ。