Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
」
「どうして、このごろ詩をお書きにならないのですか。」
「時代が変ったよ。」と言って、ふふんと笑った。
胸がつまって僕は、いい加減の事は言えなくなった。しばらく二人、黙って運動をつづけた。突如、越後が、
「人の事なんか気にするな! お前は、ちかごろ、生意気だぞ!」と、怒り出した。僕は、ぎょっとした。越後が、こんな乱暴な口調で僕にものを言ったのは、いままで一度も無かった。とにかく早くあやまるに限る。
「ごめんなさい。もう言いません。」
「そうだ。何も言うな。お前たちには、わからん。何も、わからん。」
実に、まったく、気まずい事になってしまった。詩人というものは、こわいものだ。何が失礼に当るか、わかったもんじゃない。その日一日、僕たちは一ことも言葉を交さなかった。助手さんたちが摩擦に来て、僕にいろいろ話かけても、僕は終始ふくれた顔をして、ろくに返辞もしなかった。内心は、マア坊なんかに、お隣りの越後こそ実に「オルレアンの少女」の作者なのだという事を知らせて、驚ろかしてやりたくて、うずうずしていたのだが、越後から「何も言うな」と口どめされているし、まあ、仕方なく、ゆうべは泣き寝入りの形だったのだ。