Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
「でも、いやだったら、よござんす。」
「いやなもんか。僕はもう一日に十里だって歩けるんだ。」
「或いはね。」とお母さんは、僕の口真似をして言った。
四箇月振りで、寝巻を脱ぎ絣の着物を着て、お母さんと一緒に玄関へ出ると、そこに場長が両手をうしろに組んで黙って立っていた。
「歩けますか、どうですか。」とお母さんがひとりごとのようにして言って笑ったら、
「男のお子さんは、満一歳から立って歩けます。」と場長さんは、にこりともせず、そんな下手な冗談を言って、「助手をひとりお供させます。」
事務所からマア坊が白い看護婦服の上に、椿の花模様の赤い羽織をひっかけて、小走りに走って出て来て、お母さんに、どぎまぎしたような粗末なお辞儀をした。お供は、マア坊だ。
僕は新しい駒下駄をはいて、まっさきに外へ出た。駒下駄がへんに重くて、よろめいた。
「おっとと、あんよは上手。」と場長は、うしろで囃した。その口調に、愛情よりも、冷く強い意志を感じた。だらしないぞ! と叱られたような気がして、僕は、しょげた。振り向きもせず、すたすた五、六歩いそぎ足で歩いたら、また、うしろで場長が、
「はじめは、ゆっくり。