Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
君に差し上げる手紙にも、僕はマア坊の美点ばかりを数え挙げて、竹さんの悪口をたくさん書いたが、あれは決して、君をだますつもりではなく、あんな具合いに書くことに依って僕は、僕の胸の思いを消したかったのだ。さすがの新しい男も、竹さんの事を思うと、どうも、からだが重くなって、翼が萎縮し、それこそ豚のしっぽみたいな、つまらない男になりそうな気がするので、なんとかして、ここは、新しい男の面目にかけても、あっさりと気持を整理して、竹さんに対して全く無関心になりたくて、われとわが心を、はげまし、はげまし、竹さんの事をただ気がいいばかりの人だの、大鯛だの、買い物が下手くそだのと、さんざん悪口を言って来た僕の苦衷のほどを、君、すこしは察してくれ給え。そうして、君も僕に賛成して一緒に竹さんの悪口を言ってくれたら、あるいは僕も竹さんを本当にいやになって、身軽になれるかも知れぬとひそかに期待していたのだけれども、あてがはずれて、君が竹さんに夢中になってしまったので、いよいよ僕は窮したのさ。そこで、こんどは、僕は戦法をかえて、ことさらに竹さんをほめ挙げ、そうして、色気無しの親愛の情だの、新しい型の男女の交友だのといって、何とかして君を牽制しようとたくらんだ、というのが、これまでのいきさつの、あわれな実相だ。