Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
女が、女らしくなったのだ。しかしそれは、大戦以前の女にかえったというわけでは無い。戦争の苦悩を通過した新しい「女らしさ」だ。何といったらいいのか、鶯の笹鳴きみたいな美しさだ、とでもいったら君はわかってくれるであろうか。つまり、「かるみ」さ。
お昼すこし前に道場へ帰って来たが、往復半里以上も歩いたから、さすがに疲れて、寝巻に着換えるのもめんどうくさくて、羽織も脱がずにベッドに寝ころがって、そのまま、うとうと眠った。
「ひばり、ごはんや。」
眼を薄くあけて見ると、竹さんがお膳を持って笑って立っている。
ああ、場長夫人!
すぐに、はね起き、
「や、すみません。」と言って、思わず軽く頭を下げた。
「寝ぼけているな。寝ぼすけさん。」とひとりごとのように言って、お膳を枕元に置き、「着物、着たまま寝ている人があるかいな。いま風邪ひいたら一大事や。早うお寝巻に着換えたらええ。」眉をひそめて不機嫌そうに言いながら、ベッドの引出しから寝巻を取り出し、「世話の焼けるぼんぼんや。おいで、着換えさしてあげる。」
僕はベッドから降りて兵古帯をほどいた。いつものとおりの竹さんだ。場長と結婚するなんて、嘘みたいに思われて来た。