Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
さらに深く考えてみよう。そうだ! 少しわかったところもある。その秘密は、十六日という日数にあるのでは無くて、金曜日というところにあるのではないかしら。僕は、金曜日という日には、奇妙に思案深くなる男だったのだ。前から、そんな癖があったのである。変にくすぐったい日であった。この日は、キリストにとっても不幸な日であった。それ故、外国でも、不吉な日として、いやがられているようだ。僕は、別に、外国人の真似をして迷信を抱いているわけでもないが、どうも、この日を平気で過すわけには行かなかった。そうだ、僕は、此の日を好きなのだ。僕には、たぶんに、不幸を愛する傾向があるのだ。きっと、そうだ。なんでもない事のようだけれど、これは重大な発見である。この不幸にあこがれるという性癖は、将来、僕の人格の主要な一部分を形成するようになるのかも知れぬ。そう思うと、なんだか不安な気もする。ろくでもない事が起りそうな気がする。つまらん事を考え出したものだ。でも、これは事実だから仕方がない。真理の発見は必ずしも人に快楽を与えない。智慧の実は、にがいものだ。
さて、きょうは木村の事を書かなければならぬのだが、もう、いやになった。