Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
ひとのおもいの うえにそびえ
おおぞらよりも ひろらかなり
――さんびか第五十二
四月二十二日。木曜日。
曇。別段、変った事もないから書かぬ。学校、遅刻した。
四月二十三日。金曜日。
雨。夜、木村が、ギタを持って家へ遊びに来たので、ひいてみ給え、と言ってやった。下手くそだった。僕がいつまでも黙っているので、木村は、じゃ失敬と言って帰った。雨の中を、わざわざギタをかかえてやって来る奴は、馬鹿だ。疲れているので、早く寝る。就寝、九時半。
四月二十四日。土曜日。
晴。きょう朝から一日、学校をさぼった。こんないい天気に、学校に行くなんて、もったいない。上野公園に行き、公園のベンチで御弁当を食べて、午後は、ずっと図書館。正岡子規全集を一巻から四巻まで借出して、あちこち読みちらした。暗くなってから、家へ帰った。
四月二十七日。火曜日。
雨。いらいらする。眠れない。深夜一時、かすかに工夫の夜業の音が聞える。雨中、無言の労働である。シャベルと砂利の音だけが、規則正しく聞えて来るのだ。かけ声ひとつ聞えない。あすは、姉さんの結婚式だ。姉さんが、この家に寝るのも、今夜が最後である。