Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
ひどく酔っぱらった女給と、酔ってない女給と二人、寿司をもぐもぐ食っていた。酔っぱらった女給は、僕に対して失敬な事を言った。僕は、腹も立たなかった。苦笑しただけだ。
五月十二日。水曜日。
晴れ。きょう数学の時間に、たぬきが応用問題を一つ出した。時間は二十分。
「出来た人は?」
誰も手を挙げない。僕は、出来たような気がしていたのだが、三週間まえの水曜日みたいな赤恥をかくのは厭だから、知らん振りをしていた。
「なんだ、誰も出来んのか。」たぬきは嘲笑した。「芹川、やってごらん。」
どうして僕に指名したりなどしたのだろう。ぎょっとした。立って行って、黒板に書いた。両辺を二乗すれば、わけがないのだ。答は0だ。答、0、と書いたが、若し間違っていたら、またこないだみたいに侮辱されると思ったから、答、0デショウ、と書いた。すると、たぬきは、わははと笑った。
「芹川には、実際かなわんなあ。」と首を振り振り言って、僕が自席にかえってからも、僕の顔を、しげしげ眺めて、「教員室でも、みんなお前を可愛いと言ってるぜ。」と無遠慮な事を言った。クラス全体が、どっと笑った。
実に、いやな気がした。