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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

また、事実、何大学だって、その内容は同じ様なものだ。」

知っていますよ、兄さん。僕は、蒲団から顔を出して、思わず、にっこり笑ってしまった。笑った顔は、すでに中学生の笑顔でなかった。蒲団をかぶった中学生が、蒲団からそっと顔を出したら、もはや正真正銘の大学生に変化していたという、それこそ「種も仕掛けも無い」手品。ああ少し、はしゃぎすぎて書いた。恥ずかしい。R大学なんて、なんだい。

きょうは何だか、どこを歩いてみても、足が地についていない感じだった。ふわふわ雲の上を歩いているような感じだった。兄さんも、「僕もきょうは、そんな感じがするぜ。」と言っていた。夜は、二人で片貝の町へ行ってみて、おどろいた。まるで違っているのだ。昔の片貝の町の姿ではなかった。まさか、僕がけさの夢のつづきを見ているのでもあるまい。町は、見るかげも無く、さびれているのだ。どこもかしこも、まっくらなのだ。そうして、シンと静まりかえっている。人の気配もない。五年ほど前の夏には避暑客でごったかえしていた片貝の銀座も、いまは電燈一つ灯っていない。まっくらである。犬の遠吠も、へんに凄い。季節のせいばかりでなく、たしかに片貝の町そのものが廃れたのだ。