Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
共に語り、共にはげまし合う事の出来る秀抜のライバルが、うようよいるかと思ったら、これではまるで、また中学校の一年へ改めてはいり直したようなものだ。ハーモニカなどを教室へ持って来る学生なんかあるのだから、やり切れない。二十日、二十一、二十二と、三日学校へかよったら、もういやになった。学校をよして、早くどこかの劇団へでもはいって、きびしい本格的な修業にとりかかりたいと思った。学校なんて、全然むだなもののような気がした。きのうは一日、家にいて「綴方教室」を読了し、いろいろ考えて夜もなかなか眠られなかった。「綴方教室」の作者は、僕と同じ歳なのだ。僕もまったく、愚図愚図しては居られないと思ったのだ。貧乏で、そうして、ちっとも教育の無い少女でも、これだけの仕事が出来るのだ。芸術家にとって、めぐまれた環境というのは、かえって不幸な事ではあるまいか、と思った。僕も早く、現在の環境から脱け出して、劇団のまずしい一研究生として何もかも忘れて演劇ひとつに打ち込んでみたいと思った。朝の四時過ぎに、やっと、うとうと眠って、けさの七時に目ざまし時計におどろかされて、起きたら、くらくら目まいがした。