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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

なんだい、陰でこそこそしているばかりで、いっこうに此の頃は、目黒へも姿を見せないじゃないか。兄さんには、私から、うんと言ってやりたい事があるんです。毎晩、酒を飲んで帰るって? だらしがない。」

「兄さんの悪口は言わないで下さい。」僕も本気に怒ってしまった。「叔母さんこそ、言葉をつつしんだらどうですか。僕は何も、兄さんにけしかけられて、ここへ来たんじゃないよ。子供、子供って、甘く見ちゃ困るね。僕にだって、いい人と悪い人の見わけはつくんだ。僕はきょう叔母さんと、喧嘩しに来たんだ。兄さんに関係は無い事だ。兄さんは、こんどの事に就いては誰にもなんにも言ってやしない。そうして、ひとりで心配しているんだ。兄さんは、卑怯な人じゃないぜ。」

「さ、お菓子は、どう?」叔母さんは老獪である。「おいしいカステラだよ。叔母さんには、なんでもちゃんと判ってるんだから、つまらない悪たれ口はきかないで、お菓子でもたべて、きょうはまあ、お帰り。お前は、大学生になったら、すっかり人が変ったねえ。家にいてもお母さんに、そんな乱暴な口をきくのかね?」

「カステラ? いただきます。」僕は、むしゃむしゃたべた。