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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

きのうまでの幸福感が、一瞬にして、奈落のどん底にたたき込まれたような気がした。ケチな、ケチな小市民根性。彼等のその醜いケチな根性が、どんなに僕たちの伸び伸びした生活をむざんに傷つけ、興覚めさせている事か。しかも自分の流している害毒を反省するどころか、てんで何も気がついていないのだから驚く。馬鹿ほどこわいものがないとは此の事だ。これだから、学校がいやになるのだ。学校は、学問するところではなくて、くだらない社交に骨折るだけの場所である。きょうもクラスの生徒たちは、少女倶楽部、少女の友、スター等の雑誌をポケットにつっこんで、ぶらりぶらりと教室にやって来る。学生ほど、今日、無智なものはない。つくづく、いやになってしまう。授業がはじまる迄は、子供のおもちゃの紙飛行機をぶっつけ合ったり、すげえすげえ、とくだらぬ事に驚き合ったり、卑猥な身振りをしたり、それでいて、先生が来ると急にこそこそして、どんなつまらぬ講義でも、いかにも神妙に拝聴しているという始末。そうして学校がすめば、さあきょうは銀座に出るぜ! などと生きかえったみたいに得意になって騒ぎたてる。けさも教室でひとしきり、ぎゃあぎゃあ大騒ぎだった。