Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
とても、まともに話が出来ない。傲慢というのかしら。実にこれは困った事になったと思った。
「いい劇団が無いんですか。」
「無い。」平然としている。
「こんど鴎座で、先生の『武家物語』が上演されるようですね。」と僕は、話頭を転じてみた。
何も答えない。鞄のスナップのあまくなっている個所を修繕している。
「あそこで、」ひょいと、思いがけない時に言い出す。「研修生を募集している。」
「そうですか。それにはいったほうがいいんですか。」と僕は、意気込んで尋ねた。やっと話が本筋にはいって来たと思った。
答えない。
「やっぱり、だめなんですか。」
答えない。鞄をやたらに、いじくりまわしている。
「誰でも、勝手に応募できるのかしら。」と、わざと独り言のようにして呟いてみた。
なんにも反応が無い。
「試験があるんでしょう?」と今度は強く、詰め寄るようにして聞いてみた。
やっと鞄の修繕が終ったらしい。窓の外を眺めて、
「わからん。」と言った。
僕は、もう何も聞くまいと思った。自動車は、駿河台、M大学前でとまった。見るとM大の正門に、大きい看板が立てられていて、それには、斎藤市蔵先生特別講演と書かれていた。