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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

看護婦さんの呼びに来るのを、待っている。お便所に行きたくなって来た。いそいでお便所に行く。お便所から帰って来たら、

「三ばんのおかた、どうぞ。」

「はい。」と思わず、右手を高く挙げた。

事務所は、せまくるしく、しかも殺風景で、こんな所から、あの鴎座の華やかなプランが生れるのかと、感慨が深かった。

一番と二番は、ほとんど同時に終ったらしく、一緒に廊下へ出て行った。僕は、事務所の婆さんの机の前に立って、簡単な質問を受けた。婆さんは、椅子に浅くちょこんと腰をおろして、机の上の写真と、僕の顔を、ちらと見較べ、

「おいくつですか?」と言った。ちょっと侮辱を感じたので、

「履歴書に書いてなかった?」と反問したら、急に狼狽の様子で、

「ええ、でも、――」と言って、机の上にひろげてあった僕の履歴書を前こごみになって調べた。近眼らしい。

「十七です。」と言ったら、ほっとしたように顔を挙げて、

「父兄の承諾は、たしかですね?」

この質問も不愉快だった。

「もちろんです。」と少し怒って答えた。試験官でもないのに、要らない事ばかり言いやがる。こんな機会をとらえて、こっそり試験官の真似をして、ちょっと威張ってみたかったのだろう。