Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
強迫されて、よし心得た、と気軽に合点々々していたが、おとといの朝早く、久留米絣のモンペイをはいて、つくし殿のあとを追っていそいそ出かけ、そうして午後の三時頃、僕たちが屈伸鍛錬をはじめていたら、こいしい人と別れて来たひとらしくもなく、にこにこ笑いながら帰って来て、部屋々々を廻って約束のお土産を塾生たちにくばって歩いていた。
いまのような手不足の時代には、かなりの暮しをしている家の娘でも、やはり家を出て働かなければならぬ様子だが、マア坊なども、どうやらその組らしく、仕事も遊び半分のようだし、そのくせポケットの温かなせいか、いつもなかなか気前がよく、それがまた塾生たちの人気の原因の一つになっているようで、こんな時のお土産だって、かなり贅沢だ。お土産は、どこでどんな具合いに入手したのか、一寸に二寸くらいのおもちゃの鏡だ。裏に映画女優の写真が貼られてある。昔は、こんなものは、駄菓子屋の景物などに、ただでくれたしろものだが、いまはこんなものでも、買うとなると決して安くないだろう。どこかの駄菓子屋かおもちゃ屋のストックを、そんなに数十枚も買って帰ったのかも知れないが、とにかく、いかにもマア坊らしい思いつきのお土産だ。