Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
口も大きいし、そうして、しっかり栓も出来る。いかなる細菌も、あの瓶の中には忍び込む事が出来まい。もう空いたのだから、固パンも気軽く貸してくれるだろう。固パンに頭を下げるのは癪だが、でも、細菌を防ぐためには、どうしてもあのらっきょうの瓶が必要である。衛生を重んじなければならぬ。そう思って、かっぽれは、食事がすんでから、おそるおそる固パンに空瓶の借用を申し出た。
固パンは、かっぽれの顔をまっすぐに見て、
「こんなものを、どうするのです。」
その言い方が、かっぽれに、ぐっと来たというのである。前からこの二人の間には暗雲が低迷していたのである。かっぽれは、この健康道場第一等の色男を以て任じていたのに、最近に到って固パンがめきめき色男の評判を高めて、かっぽれの影は薄くなり、むしゃくしゃしていた矢先だったのである。
「こんなもの? 須川さん、そんな言い方をしてもいいのですか。」かっぽれの言い方も妙である。
「なぜ、いけないのです。」固パンは、にこりともしない。どうにも堅くるしく、気取っている男なのである。
「わかりませんかねえ。」かっぽれは、少しおされ気味になって、にやにやと無理に笑って、「私があなたから、まさか、豚のしっぽを借りようとしたわけではなし、こんなもの、とにべもなく言われては、私の立つ瀬が無くなります。