Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
「どれもみな、うまいと思いますけど、この、最後の一句は他のと取りかえたら、もっとよくなるんじゃないかな。素人考えですけど。」
「そうですかね。」かっぽれは不服らしく、口をとがらせた。「その句が一ばんいいと私は思っているんですがね。」
そりゃ、いい筈だ。俳句の門外漢の僕でさえ知っているほど有名な句なんだもの。
「いい事は、いいに違いないでしょうけど。」
僕は、ちょっと途方に暮れた。
「わかりますかね。」かっぽれは図に乗って来た。「いまの日本国に対する私のまごころも、この句には織り込まれてあると思うんだが、わからねえかな。」と、少し僕を軽蔑するような口調で言う。
「どんな、まごころなんです。」と僕も、もはや笑わずに反問した。
「わからねえかな。」と、かっぽれは、君もずいぶんトンマな男だねえ、と言わんばかりに、眉をひそめ、「日本のいまの運命をどう考えます。露の世でしょう? その露の世は露の世である。さりながら、諸君、光明を求めて進もうじゃないか。いたずらに悲観する勿れ、といったような意味になって来るじゃないか。これがすなわち私の日本に対するまごころというわけのものなんだ。