Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
「カクランの句にしては、うますぎるよ。きゃつ、盗みやがったな。」すでにここに到っては、天衣無縫とでもいうより他は無い。「こんど、おれは、あの句を出すんだ。」
「慰安放送? あたしの句も一緒に出してよ。ほら、いつか、あなたに教えてあげたでしょう? 乱れ咲く乙女心の、という句。」
果して然りだ。しかし、かっぽれは、一向に平気で、
「うん。あれは、もう、いれてあるんだ。」
「そう。しっかりやってね。」
僕は微笑した。
これこそは僕にとって、所謂「こんにちの新しい発明」であった。この人たちには、作者の名なんて、どうでもいいんだ。みんなで力を合せて作ったもののような気がしているのだ。そうして、みんなで一日を楽しみ合う事が出来たら、それでいいのだ。芸術と、民衆との関係は、元来そんなものだったのではなかろうか。ベートーヴェンに限るの、リストは二流だのと、所謂その道の「通人」たちが口角泡をとばして議論している間に、民衆たちは、その議論を置き去りにして、さっさとめいめいの好むところの曲目に耳を澄まして楽しんでいるのではあるまいか。あの人たちには、作者なんて、てんで有り難くないんだ。