Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
どうも、君、世の中にはさまざまの事がある。あのひとが、あんな恐るべき手紙をものするとは、全く、神か魔かと疑ってみたくなるくらいだ。とにかく、なんとも、ひどいんだ。
それでは、きょうは一つその偉大なる書翰に就いてちょっと書いてみましょう。
けさは、道場で秋の大掃除がありました。掃除はお昼前にあらかたすんだけれど、午後も日課はお休みになって、そうして理髪屋が二人出張して来て、塾生の散髪日という事になったのです。五時頃、僕は散髪をすまして、洗面所で坊主頭を洗っていると、誰か、すっと傍へ寄って来て、
「ひばり、やっとるか。」
マア坊である。
「やっとる、やっとる。」僕は、石鹸を頭にぬたくりながら、頗るいい加減の返辞をした。どうも、このごろ、このきまりきった挨拶の受け答えが、めんどうくさくて、うるさくって、たまらないのである。
「がんばれよ。」
「おい、その辺に僕の手拭いが無いか。」僕は、がんばれよの呼びかけには答えず、眼をつぶったまま、マア坊のほうに両手を出した。
右手にふわりと便箋のようなものが載せられた。片目を細くあけて見ると、手紙だ。
「なんだい、これは。」