Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
「ベッドの引出し?」ひょっとしたらマア坊は、さっき手拭いを取りに行った時に、あの手紙を、僕のベッドの引出しにでも、ほうり込んで来たのではあるまいかと思って聞いてみたのだが、やはり、ただ首を振るだけで返辞をしない。女は、これだからいやだ。よそから借りて来た猫みたいだ。勝手にしろ、とも思ったが、しかし、僕にはマア坊のあわれな誇りをいたわらなければならぬ義務がある。僕は、それこそ、まさしく、猫撫で声を出して、
「さっきは、ごめんね。あの歌の意味はね、」と言いかけたら、
「もういい。」と、ぽいと投げ棄てるように言って、さっさと行ってしまった。実に、異様にするどい口調であった。僕は突き刺されたような気がした。女って、凄いものだね。僕は部屋へ帰って、ベッドの上にごろりと寝ころがり、「万事、休す」と心の中で大きく叫んだ。
ところが、夕食の時、お膳を持って来たのは、マア坊である。冷たくとり澄まして、僕の枕元の小机の上にお膳を置き、帰りしなに固パンのところに立寄って、とたんに人が変ったようにたわいない冗談を言い出し、きゃっきゃっと騒ぎはじめて、固パンの背中をどんと叩いて、固パンが、こら! と言ってマア坊のその手をつかまえようとしたら、