Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
物置部屋に通ずる扉に打つけられた釘には、帽子と外套とステッキとがかかっていた。
霧原警部は注意深く床の上を捜しにかかった。机の前に当る死体の足もとに小さな壜が栓の抜けたまま落ちていたので、警部はポケットからピンセットを取り出して拾い上げて見ると、レッテルには「クロロフォルム」の文字が読まれた。警部は朝井刑事に、意味ありげに眼くばせして、携えて来た器の中に大切に保存せしめた。壜の栓はそのあたりに見つからなかった。
リノリウムの上には足跡などは無かったが、警部が注意して捜しまわると死体の腰のところに、長さ一尺に足らぬ二本の髪の毛があった。見ると二本とも同じ人の毛で、根端の有様から推すとたしかに抜け落ちたものであるが、遊離端は鋏で切った跡がはっきりついていた。
それから警部は死体の検査に取りかかった。被害者大原は中脊の、でっぷりふとった赭ら顔の紳士で、額の生え際は大ぶ禿げ上っていた。顔には別に苦悶の表情はなかったが、紫色の唇から舌が少しはみ出して居るところを見ると、窒息死であると察せられた。で、警部は顎に手をかけて頸の前面を見ようとしたが、その途端に「これは!」