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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

四

腸管拷問法に対して平気の平左衛門で居た人間というのは、三十前後の男でした。彼は左の頬に先天的に出来たらしい大きな痣がありました。その痣は黒くて、むしろ漆黒といってよい程でありました。最大径は四寸ぐらいあって、その形は蝶々といえばやさしいですが、むしろ毒蛾の羽をひろげたといった方が適当に思われました。

御承知のとおり、身体に何等かの肉体的異常を持つものは、男でも女でも幼い時分から一種のひがみを持ち、だんだん犯罪性を増して行くもので、極端になると、殺人狂になり了ります。それはつまり人間全体に対して一種のはげしい憎悪を感ずるからであります。かような不具な男が青春の頃になりますと、性的の刺戟を受けて、女子に対して一種の反抗心を持つに至ります。そうして、一旦女子を恋して、その恋が受け入れられると、こんどは、女子を熱愛しその代りに、激しい、むしろ病的といってよい位の嫉妬心を起します。それがため、いろいろの邪推を起して遂には女を殺します。そうして、殺した後に、邪推だったということがわかると悔恨の念もまた甚だしいのです。沙翁の「オセロ」を御承知でしょう。