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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

それと同時に、心は、「彼女」の方に向いてしまった。そうして、この意外な発見は、誰よりも先に彼女に知らせるのが至当であると思った。

彼女は昨夜安眠したであろうか。若しや自分との約束にそむいて留置場を逃げ出すようなことを仕出来しはしなかったか。こう思うと、康雄は何だか不安な心持ちになった。一刻も早く彼女の顔が見たくなった。犯人の手がかりを見つけたことを告げて彼女を安心させたくなった。たとい紺野老人が真犯人でなくても、老人の眼鏡の玉が大平氏宅に落ちて居たことによって、紺野老人と今回の事件とが何等かの関係を持って居ることがわかる。それを話して彼女を慰めたく思ったのである。言うまでもなく真犯人さえわかれば、当然彼女は放免されるからである。

康雄はそこで××署をさして急いだ。早く恋人に逢いたいと思うと、足は宙を走った。

署へ来ると、丑村刑事は留守であったが、署長はニコニコして、この素人探偵を迎えた。康雄は、事件の報告よりも、彼女の安否を気づかって言った。

「あの女はどうしましたか」

さすがに彼は頬のほてるのを覚えた。

「昨夜は安眠が出来たということですよ、今日は大へん機嫌がよいようです。