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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

然し相変らず自分の素性については語りませんが、こちらも強いてたずねようとはしません。今日の様子では、あなたが逢われたら、何もかもお話しするかも知れません。が、それはそうと、捜索は進みましたか」

康雄は署長の丁寧な言葉づかいに恐縮しながら、

「どうせ素人のことですから、さっぱり駄目です。然し、いま大平氏の宅へ行って、一寸したことを見つけて来ました」

「それは何ですか」と、署長は康雄の言葉を遮るようにして、畳みかけてたずねた。

康雄はどぎまぎして、

「それはあとでお話しすることにして、それより先に、あの女に逢わせて頂きたいと思います」

署長はちらと康雄の眼をながめたが、そのまま大きくうなずいた。

留置場へはいると、彼女は昨日のままの姿で、つつましやかに腰かけて居た。見れば昨日より遥かに血色もよく、康雄の姿を見るなり、頬笑んで迎えた。その頬笑みは、康雄をして、一瞬間、殺人のことも、捜索のことも、レンズのことも、紺野老人のことも、何もかも忘れしめてしまった。康雄の心の中は、美しい恋人の姿によって占領し尽されたのである。

彼はつかつかと彼女の方に近寄ったが、何といって声をかけてよいかに迷った。