Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
いっそざっくばらんに言いましょうか」
と、暫く躊躇した後、
「私もあなたと同じく一人ものです。いっそあなたは私と……」
「結婚してくれ」という意味は、たしかに彼女に通じたらしく、思わず彼女は康雄から顔をそむけた。
「おや、私はこんなことを言って、あなたを怒らせたでしょうか」
「いいえ!」彼女の声は強かった。
「本当ですか」と、康雄が彼女の腕にすがると、彼女の首はわずかに縦に動いた。
途端に、隣室の方で、無風流な振鈴の音が、響き渡った。二人ははッと美しい夢からさめた。多分それは、巡査たちを何かの目的で集合せしめる合図ででもあるであろう。ざわざわと人の歩く音が続いて起った。
「いけませんねえ、こういう話をするには、此所は不似合な場所です。時に私たちは何の話をして居たのでしょう、ああ、そうです。あなたに大平氏宅の庭で拾った手がかりを見せる筈でした。これはまだ署長にも誰にも見せてありません」
こう言った康雄はポケットから、例のレンズを取り出して、彼女の前に差し出した。
「これです!」
彼女は、珍らしい昆虫でも見るときのように、こわごわのぞきこんで居たが、
「これがどうして手がかりになりますか」