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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

白が果して、彼女の発狂した事を知ったかどうかわかりません。然し、お蝶さんが、たまたま赤子を置いて、一寸外へ出た留守に、赤子が泣き出すと、白は赤子の傍へ飛んで行って、ゆすぶりながら、あやす真似をするくらいの智慧のある犬でしたから、或は主人が何のために発狂したかをよく理解して居たのかも知れません。実際、後に御話しするように白は見ごとにお蝶さんのかたきを取りました。白自身が、前に御話ししたように五人のものにはさんざん苦しめられて居たのですから、機会があらば自分でも復讐したいと思って居たのかも知れません。とに角、白はその機会をとらえることが出来たのであります。むろん、白は人間のように物をいいませんでしたから、彼の本当の意志を知ることは出来なかったのですが、少くとも、見たところ、五人のものは、白にかたきを取られたのであります。

私はよく古い書物の中で、賢い犬の話を読みました。可愛がられて居た主人に殉死をするとか、或は主人の身代りになって死ぬとか、或は主人の急を救うとかという話を読みました。そうして白もやはりその種の犬だったと思って居ります。私は白を見るたびに、聖人賢人の姿を聯想しました。