Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
大賢は愚なるがごとしとかいいますが、白も見たところはのっそりして居たのであります。むかしギリシャに何とかいう桶の中にはいって暮して居た哲学者がありましたそうですな。そうそうヂオゲネスといいましたか、私は白を見る度に、そのヂオゲネスを思い出しました。白はぼんやり寝て居るかと思うと、なかなかそうではなく、よく頭が働くのです。そうして、その頭を働かして、遂に五人のものに対して怖ろしい復讐をしたのであります。
それは四月の始めのことでした。五人の悪漢は山で頻りに木を伐りたおして居りました。彼等は大声で喋舌り、大声で唄いました。すべての暴君はいずれも鼻唄気分につかって居るものですが、暴君のうたう鼻唄は聞くものにはげしい恐怖を誘発します。ですから、彼等が山で木を伐って居るときには、村人はわざわざまわり道をして避けて行くのでありました。ですから、その日も山の麓を走って居る比較的大きな道の上には人通りが絶えて居りました。
すると其処を一人の中年の小僧が自転車にのって通りかかりました。山道ではあっても、さほど急ではありませんから自転車は平気で通います。小僧は馬肉屋の雇人でして、この村から二里ほど隔った町から、いつも、村の酒屋に馬肉を運んで来るのでありました。