Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんせい

新生

島崎 藤村

Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は節子の口から、兄の方の子供が友達に誘われて町へ遊びに行ったとか、弟の方が向いの家で遊んでいるとか、それを聞くまでは安心しなかった。

節子が岸本の家へ手伝いに来たのは学校を卒業してしばらく経った時からで、丁度その頃は彼女の姉の輝子も岸本の許に来ていた。姉妹二人は一年ばかりも一緒に岸本の子供の世話をして暮した。その夏他へ嫁いて行く輝子を送ってからは、岸本は節子一人を頼りにして、使っている婆やと共にまだ幼い子供等の面倒を見て貰うことにしてあった。

岸本の家へ来たばかりの頃の節子はまだ若かった。同じ姉妹でも、姉は学校で刺繍裁縫造花なぞを修め、彼女はむずかしい書籍を読むことを習って来た。その節子が学窓を離れて岸本の家へ来て見た時は、筋向うには一中節の師匠の家があり、その一軒置いて隣には名高い浮世画師の子孫にあたるという人の住む家があり、裏にはまた常磐津の家元の住居なぞがあって、学芸に志す彼女の叔父の書斎をこうしたごちゃごちゃとした町中に見つけるということさえ、彼女はそれをめずらしそうに言っていた。「私が叔父さんの家へ来ていると言いましたら、学校の友達は羨ましがりましたよ」