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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんせい

新生

島崎 藤村

Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme

Aozora Bunko

一眠りして眼を覚すと、その度に彼は巴里が近くなって来たことを感じた。心持の好い朝で、何を眺めても眼が覚めるようであった。次第に巴里の近郊から城塞の方へ近づいて行った。車窓に映る建築物の趣なぞも何となく変って来た。リモオジュあたりで見て来た地方的なものが堅牢な都会風の意匠となり、二層三層の高さが五層にも六層にもなり、城廓のように聳えた建築物と建築物の間には積重ねた煉瓦の断面のあらわれたのが高く望まれるように成った。

朝の八時頃に岸本はドルセエ河岸の停車場に着いた。荷物と一緒に乗った辻馬車の中から彼は右を眺め左を眺めして行った。ボルドオの公園の方で古池の畔に深い秋を語っていた黄ばんだ柳の葉を眺め、南国的なマグノリアの生々とした濃い緑を眺めて来た眼には、町々は早や全くの冬景色であった。並木も枯々としていた。冷い街路を踏んで行く馬の蹄の音までが耳についた。彼は思ったよりも寂寞とした巴里に帰って来たことを感じた。

産科病院の前へ着いて取りあえず岸本は家番のかみさんを見舞った。入口の階段に近く住む家番のかみさんは彼を見ると、いきなり部屋から飛んで出て来た。

「岸本さん」