Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
可傷しい眼だ。鋭いナイフで是方の胸を貫徹さずには置かないほどの力を有った眼だ。
一度犯した罪は何故こう意地悪く自分の身に附纏って来るのだろう、と岸本は嘆息してしまった。仏蘭西の詩人が詩集の中に見つけて置いた文句が彼の胸に浮んだ。
“Que m'importe que tu sois sage,
Sois belle et sois triste ……”
分別ざかりの叔父の身で自分の姪を無垢な処女の知らない世界へ連れて行ったような心の醜さは、この悲痛な詩の一節の中にも似よりを見出すことが出来る。あの北極の太陽に自己が心胸を譬え歌った歌、岸本が東京浅草の住居の方でよく愛誦した歌を遺して置いて行ったのも同じ仏蘭西の詩人である。岸本はそうした頽廃した心を有った人が極度の寂寞を感じながら曾てこの世を歩いて行ったことを想って見た。その人の歌った紅くしてしかも凍り果るという太陽は北極の果を想像しないまでも、暗い巴里の冬の空に現に彼が望み見るものであることを想って見た。
町に出て、岸本は節子のために彼女の煩い苦しんでいるという手の薬を探し求めた。子供等へ送るつもりで買って置いた仏蘭西風の黒い表紙のついた手帳と一緒にして、帰朝する人でもある折にそれを托そうと考えた。