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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんせい

新生

島崎 藤村

Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme

Aozora Bunko

れさを思った。

その日の午後に、岸本は例の二階の方に居て、仕事の手伝いに来る節子を待受けた。彼は手の悪い節子をいたわるようにして、旅の話なぞを筆記させた。まだ慣れない彼女の胸に浮ばないような文字でもある毎に、彼はそれを紙に書いて教えた。どうかすると彼自身筆を執ってその話を書きつけるよりも多くの時間を要した。それにも関らず彼は節子に手伝わせることを楽みにした。

一仕事終った後、節子は紙や鉛筆なぞを片付けながら思出したように、

「泉ちゃんや繁ちゃんの大きく成った時のことも考えて見なけりゃ成りませんからねえ」

「お前はもうそんな先の方のことを考えているのか」

と言って岸本は笑った。節子がよく考えて見ようと前の日に言ったのも、主に泉太や繁のことで、彼等がずっと成長した後の日にはいかに自分等二人のものを見るかというにあるらしかった。

「お前はそんなことを言っても、ほんとうに叔父さんに随いて来られるかい」と復た岸本が言って見た。

「私だって随いて行かれると思いますわ」

こう節子は答えたが、何時の間にか彼女の眼は涙でかがやいて来た。ややしばらく二人の間には沈黙が続いた。